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自主的な「研究」と活発な「議論」文化が生み出す、世の中の時流を捉えたスピーディな開発サイクル(#HelpfeelStory)

Helpfeel(ヘルプフィール)には、多彩なバックグラウンドをもつ、個性的な面々が集まっています。そんなHelpfeelの中の人にスポットライトを当てる「Helpfeel Story」。今回は開発部でユニットリーダーを務める寺本 大輝にインタビューしました。

開発部 ユニットリーダー 寺本 大輝(@teramotodaiki)
2021年4月入社
プログラミング学習サービス運営会社の代表も務める
<プロフィール>
ゲームをハックしてプログラミングを学ぶ教材「HackforPlay」を石川工業高等専門学校在学中に開発、石川県金沢市で起業。NICT起業家甲子園で総務大臣賞受賞、2015年度IPA未踏スーパークリエータ認定。自社サービス運営の傍らCoderDojo Kanazawaを立ち上げ小・中学生向けのプログラミング講座を毎週開催している。2021年にHelpfeelエンジニアとしてNota(現Helpfeel)にジョイン。個人で一気通貫してプロダクト開発してきた知見を活かし、Helpfeelの新機能開発に取り組んでいる。

顧客企業やエンドユーザーのニーズに応えるプロダクトや機能を提供し続けてきたHelpfeel。顧客からの要望を実現することはもちろん、潜在的なニーズを満たす新規ソリューションの開発にも力を入れています。

新規ソリューション領域を担うチームでユニットリーダーを務める寺本は、そうした開発が可能な背景には、Helpfeelならではの特異な文化があるといいます。

在学中に起業し、卒業後は自身が立ち上げた会社の代表を務めていた寺本。初めて雇用契約を結ぶ企業にHelpfeelを選んだ理由や、Helpfeelならではの文化、強みなどについて聞きました。


未踏スーパークリエータ認定後に起業。最高のものづくり環境を求めてHelpfeelに入社

椅子に座った男性がインタビューに答えている様子

高専在学中に、「HackforPlay」という子どもがゲームをしながらプログラミングを学べるサービスを開発しました。自分も学生時代に簡単なゲームを作ってものづくりの楽しさを知った経験から、同じようにプログラミングのおもしろさを感じてもらえる教材を作りたいという思いから制作したものです。これを地元のベンチャープランコンテストに出したところ賞をいただき、賞金の50万円を元手に在学中に会社を立ち上げました。

高専を卒業した後、HackforPlayの開発と会社経営に6年ほど携わっていた頃、次第に自分自身の成長の限界を感じるように。事業として成り立たせるためには、CEOである自分はコードを書くよりもサービスをどう売っていくかを考えることが求められます。
ですが、私はもっとコードを書きたかった。
さらに、ずっとエンジニア1名でやってきたので自分よりスキルの高い人がいる会社で学びたいという気持ちも芽生え、就職しようと考えました。

私はIPAが実施する「未踏IT人材発掘・育成事業」において2015年に未踏スーパークリエータの認定を受けています。Helpfeelはテクニカルフェローの増井(元未踏PM)や代表の洛西(未踏OB)をはじめ未踏の関係者が多いことから、社名は元々知っていました。また、当社のプロダクトであるGyazo、 Scrapbox(現:Cosense)のユーザーだったこともあり、Helpfeelを就職先の選択肢として考えるようになりました。

他にも2〜3社選考を受けたのですが、Helpfeelへの入社の決め手となったのは「Nota Tech Conf」(現:Helpfeel Tech Conf)という、Helpfeel社主催の技術カンファレンスに参加したこと。そこで語られていたプロダクト作りに対する姿勢や、思い描いたことを実際に手を動かして実現している様子、増井の過去の研究に関するトークセッションなどを聞き、「ここだったら自分よりスキルの高い人たちと切磋琢磨できる」と思い入社を決めました。

Helpfeelに入社してからもHackforPlayの代表は続けていますが、今ではほとんどの時間をHelpfeelに使っています。

エンジニア文化が育む自由研究――アイデアをプロダクトに実装するDNA

現在は開発部でユニットリーダーとして、Helpfeelのプロダクト開発やチームマネジメントに従事しています。いわゆるプレイングマネージャーで、ユニットメンバーや業務委託先のマネジメントをしながら自分でも手を動かして開発をしています。

主に担当しているのは、新規ソリューション領域。「あったらいいな」を形にした新機能や、生成AIなどの新しい技術を取り入れた新機能の開発を行っています。例えば最近では、「PDF検索機能」というものを実装しました。顧客企業が自社で用意しているPDF書類をHelpfeelに格納すると、FAQと同じようにエンドユーザーが検索できる仕組みです。

Helpfeelには、「こんなものがあったら、もっとお客様のニーズに応えられるのでは」というアイディアを起点に、エンジニアの誰かがまずはプロトタイプを作り、それをブラッシュアップしながら製品化していく文化が創業以来ずっと根付いています。
「PDF検索機能」についても同じでした。代表の洛西が顧客企業との商談で広くニーズをヒアリングする中で、特に製造業においては詳細なマニュアルが用意されているにもかかわらず、そのマニュアルが見られていない、情報が探しにくいといった課題があることに気づいたことから着想。この課題を解決するためのアプローチとしてさまざまな可能性を探りましたが、最終的にHelpfeelの検索技術を活用することでこの機能が生まれました。

椅子に座った男性がインタビューに答えている様子

こうした動きが可能となる背景には、Helpfeelのエンジニアが常日頃から興味のあるテーマについて探求する文化があります。これを当社では「研究」と呼んでいます。いわゆるアカデミックな研究とは異なり、自由研究のようなニュアンスが近いかもしれません。
アカデミックな研究では、仮説を立てて実験を行い、データから客観的に結論を導き、論文などにまとめることがゴールです。
当社の「研究」の場合は、自然発生的なカルチャーであり、明確な仕組みや社内制度はありません。それでも、エンジニアが本業のタスクを抱えながら空き時間を見つけて取り組み、会社としても推奨しています。

もちろん全ての人が取り組んでいるわけではないですし、強制するものではありません。ですが、主体的に取り組んでいる人の割合は、他の会社に比べると多いのではないかと思います。

ちなみに、「研究」ではエンジニア同士でディスカッションをすることも多いのですが、これには洛西も参加します。会社が大きくなったりフェーズが進んだりするとマネジメントに重きを置くようになる経営者が多いですが、洛西はどこまでもエンジニアマインドを持っています。今でも「一番いいプロダクトを作れるのは自分だ」と言わんばかりに、現場のエンジニアと議論を戦わせています。同じ立場でディスカッションができ、多くの学びがあります。

ChatGPTのAPI公開翌日に、ChatGPTを活用した新機能をリリース

私自身が取り組んでいる「研究」では、AI活用をテーマにしています。元々、2022年頃から今でいう生成AIを専門に研究している大学教授の話を聞く機会があり、Helpfeelとしてできることはないか模索が始まりました。

当時はまだ具体的にAIで何ができるのかが漠然としていましたが、社内で自主的にワーキンググループを立ち上げ、試しにAIを使ってみて自社プロダクトへの活用可能性について意見交換する、という会を毎週のように開催しました。そんな中、2022年の年末にChatGPTが公開されたのです。私は「開発の方法が大きく変わることになる」と大きな衝撃を受け、さらに火がつきました。年末年始はChatGPTのことばかり考えていましたね。

生成AIを活用したソリューションとして最初にリリースしたHelpfeelの機能は、ChatGPTを活用したFAQ作成支援ツール「Helpfeel Generative Writer」(現:「FAQのドラフト生成機能」)でした。Helpfeelは導入すれば終わりというものではなく、ビジネスやサービスの変化に合わせてFAQ記事の内容をメンテナンスしていく必要があります。しかし、それには担当者の工数がかかりますし、わかりやすいFAQを作成するには一定のライティングスキルが求められます。AIが文章のたたき台を作れるようになったことで、担当者の負担を大幅に削減することができました。

ChatGPTのAPIがリリースされたのが2023年3月2日。そのAPIを活用した「Helpfeel Generative Writer」のリリースは翌日、3月3日のことでした。

こうしたインパクトのある技術導入はできるだけ早くリリースを出すことが話題性につながり、マーケティングにおいても有利にはたらきます。
トップがやると決めてから、コンセプトを定め、メンバーをアサインして…とやっているうちに、1ヶ月くらいはかかってしまうでしょう。でも、コードを書ける人が気づいてさっと作ってしまうと、1日で作れることも。そこからブラッシュアップしていけば、初動が早くなります。
こうした動きができることは、普段から「研究」をしていたり、まずは作ってみたりするカルチャーがあるHelpfeelならではの強みです。

全国どこで仕事をしていても、Cosenseがあればまるでお互いの頭の中が見える感覚

もう一点Helpfeelの特異性として挙げられるのが、徹底的なテキストコミュニケーション文化です。Helpfeelではメンバー全員がフルリモートで働いており、北は北海道から南は沖縄まで、全国にメンバーがいます。私は金沢から就業しています。テキストコミュニケーションを最大限に活用していることが、全員がフルリモートでもうまくいく一番の理由だと思います。

当社では自社サービスを自ら使ってみる、いわゆるドッグフーディングという文化を大事にしており、自社で開発しているCosenseというwikiサービスを業務で活用しています。
Cosenseはチームでの情報共有を円滑にするために最適化されており、まるで他の人の頭の中を覗くかのように情報共有がスムーズにできるのが特徴。フルリモートであることを感じさせないほど、スムーズにコミュニケーションがとれています。

Helpfeelは議論がとても活発ですが、そのほとんどはCosenseやSlack上のテキストをベースに行われます。例えば一つのボタンの色を変えるというだけでも、エンジニアやデザイナー、カスタマーサクセスなど、さまざまな部署の人たちがテキストコミュニケーションを活用して活発にアイディアや意見を出し合います。プロダクトを少しでも良くしていこうという動きが組織全体でできていると感じます。

そんな環境なので、Helpfeelではテキストコミュニケーションが得意な人が活躍できると思います。言語化が上手なことはもちろん、多くの文章を読んで理解することが苦ではない人に向いています。

そして、すでに完成されたプロダクトにも疑いを持ち、見落とされがちな小さなユーザーのストレスにも目を向け、少しでもプロダクトがよくなるポイントをしつこく探し続けられる。そんな人にぜひ入社していただきたいですね。

街並みを背景に男性が微笑んでいる写真

未来のHelpfeelを共創できる仲間を待っています

Helpfeelは一緒に挑戦する仲間を募集しています。
自社プロダクトで世界を変えてみませんか?

企画:河端歩未、本行春香 執筆:神宮寺香織 撮影:馬場雄介 デザイン:新井勝